2016年5月26日木曜日

日本市場にはもっとお買い得ですっごい存在感のGTカーがありました!!!

  このスタイリング見てください!!!誰がどう見てもGTカーのスタイリングです!!!超ロングノーズといえば・・・初代(1969年)や二代目(1978年)のフェアレディZですけども、このクルマもいいですよ!!!→「光岡・ヒミコ」動画リンク フェアレディZは現行のZ34と先代のZ33は女性人気抜群のデザインナー中村史郎さんが指揮をとったのがよくわかる、とっても「かわいらしい」デザインが特徴です。アウディTTのようなコンパクトさに凝縮された「美」を醸し出すデザインです。これらをGTカーと呼んでいいのか!?スタイリングから分類すればダイハツ・コペンみたいな位置ですかね・・・。

  ・・・ということで、フェアレディZとアウディTTは除外させてもらいました。しかしもう1台ありました!!!これぞどこからどう見てもGTカーのスタイリングです。初代フェアレディZよりもさらに強調された長いフロントノーズが只者ではないオーラを発しています。富山県にある「光岡自動車」というマイナーなメーカーが作るGTカーが「ヒミコ」です。最初から女性向けのGTカーですよ!!!という意図を予感させるネーミングですが、アルファロメオ「ジュリア」に対抗したと思えば男性が乗ってもいいですよね。

  光岡はクラシカルデザインによる趣味車を作るメーカーだと一般的には思われてますが、まあその通りですね・・・。ただし、モディファイしている年代は1950年代という、日本の自動車産業の中では極めて早い段階にあたる、「オースチンA40サマーセットサルーン」という英国車を日産がノックダウン生産する形式で作られていたクルマみたいです。ガチのお金持ちしかクルマが所有できなかった時代の「貴族イメージ」を、現代のクルマのパッケージで販売するという極めて独特な製品です。つまり昔の工芸品を愛でるというスタンスではなく、極めて貴族文化的で「ロココ」調です。それに対して、VWザ・ビートルやミニなどは庶民文化を基調としていて「新古典主義」的な質実剛健さが光るので、クルマとしての意味合いは「近そう」で全くの「対極」にあるとも言えます。

  日本の高級車というと、レクサスもインフィニティもあくまでコンテンポラリーな「プレミアム枠」を律儀に守ったクルマ作りをしています。ロールスロイスやベントレーが見せるような「ロココ」(あくまで貴族向けという意味)を体現できるクルマは、特別に誂えられたプレジデントやセンチュリーといった公用車だけです。そんな中で唯一ブランド単位で「ロココ」を志向しているのが光岡ですね。ちなみに現行モデルは4車種のようです。

  238万円〜の設定の「ビュート」は日産マーチの設計を使うも全長は4515mmまで延長されています。とはいってもホイールベースはマーチと全く同じで2450mmなので、キャビンの部分ではなく、前後に張り出したオーバーハングの部分が違うだけなので決して広くはないです。ただし外からみて狭そうには見えません。なんとも不思議なクルマです。価格設定も十分に納得できる範囲ではないでしょうか。日産のコンパクトというのは歴代モデルがそうですが、トヨタやホンダよりも品格を重んじる設計なので、マーチというベース車選択はクルマの性格を考えると大正解じゃないでしょうか。

  もう少し大きいキャビンの「光岡」が欲しい人には、ホイールベースも2600mmまで伸びてエンジンも1.5L自然吸気に変わってパワフルになった「リューギ」というモデルがあります。こちらはトヨタのカローラアクシオ/フィールダーをベースにしています。価格は258万円〜となっていて、これまた「ロココ」趣味を楽しむにはえらくリーズナブルです。キャビンスペースを拡大→カローラという着地点がなんとも絶妙です。そしてなんとHVモデルも既にラインナップされてます!!!

  さらに5mクラスのフルサイズがお望みならば「ガリュー」というフラッグシップサルーンがなんと403万円!!!というお値打ち価格です。ベース車は日産ティアナですから、このクラスのFFサルーンでは質感ナンバー1で車内も最も広い設計で非常に快適です・・・これまた素晴らしいベース車選択です。さらに日産自慢の自動ブレーキまで標準装備されていて、性能面でも最先端ですね!!!日産とトヨタを厳選して選んでますから、メンテナンスに関しても安心して乗れますね・・・もし中身がマレーシアや韓国のメーカーだったらちょっと買うのを躊躇ってしまうでしょうけど。

  そしてGTカー「ヒミコ」ですが、こちらも光岡がベース車を厳選したようで、マツダNCロードスターが使われています。「セダンは日産」で「スポーツカーはマツダ」という選択がとても的確です。リトラクタブルハードトップ機能も含めてNCロードスターを流用していますが、あちらは既に新型が登場しているので、「ヒミコ」も「オロチ」のあとを追って間もなく販売終了になるかも・・・。ちなみに「オロチ」というのはトヨタの3.3Lの横置きV6(MZ系エンジン)をミッドシップに積んだ1200万円する光岡のスーパーカーです。ほぼ同じ機構のロータス(トヨタエンジン)の上級モデルよりも割高ですが、ロータスなんて歯牙にもかけないくらいの強烈なエクステリアが売りで、アストンマーティンもマツダも裸足で逃げ出すほどの出来映えです。

  その「オロチ」に負けず劣らず「ヒミコ」もかなり押し出しの強い割にエレガントなGTカーです。価格はちょっと高めの502万円です。ただし他の3台と違って、ロードスターのシャシーを根本的に弄っていて、ホイールベースは3030mm!!!もはやロードスターとは全く別のクルマです。超絶ハンドリングマシンのロードスターの最大の特徴を「要らない!!!」と切り捨てるのはちょっとビックリですが、これはマツダのスポーツカーに捧げる熱意に対する敬意だと思います。

  それにしてもマツダ自慢の「MZRエンジン」を積んだモデルがまだまだこんなところに生きていたとは!!!フォードが撤退し、ボルボがデンソー開発のエンジンに変わり、残るジャガーとランドローバーも段階的にMZRから新開発の「インジウム・モジュラー」に変わるそうなので、この「ヒミコ」はマツダファンそして名機「MZR」のファンにとってはとても貴重なモデルと言えるかもしれません。さらにマツダではなかなか実現しなかったロングホイールベース車への搭載も実現しました。直進安定性が高められた、まさにGTカー仕様のシャシーでハイオク仕様の高回転型MZRはどんなフィールを出すのか!?・・・やべー欲しくなった!!!


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2016年5月19日木曜日

日本で一番お買い得なGTカーはなんと・・・「アノ」ブランドだった!!!

  あまりにも「ニワカ」過ぎで自分でも笑ってしまうくらいなんですけども、GTカーが欲っしーなー!!!! とはいっても・・・さらに厄介なことに「ニワカ」にありがちな本格指向でガチガチなので、ハッチバックにGTウイング付けた「サーキット」ルックなスタイルは「違う」って感じです。近頃多く見かけるのがメルセデスAMGのアレとかスズキのスイスポだったりのデモカー仕様みたいな派手なヤツです。他人が乗っている分には楽しそうでいいね!って思いますけど・・・ちょっとGTカーとはいい難い。

  やっぱりGTカーってのは、どこまでも磨き抜かれたスタイルで、町中にただならぬオーラを発信できる絶対的な存在感が必要だと思います。しばしば休日などに見ることができるポルシェ911と日産GT-Rがその代表格でしょうか。他にもちょっと古いクルマになりますがトヨタ・スープラ(特に最終型)は今でも現役バリバリといっていいくらいのGTカー王道スタイルで、いいですねー。同じトヨタが作るレクサスIS・Fや比較的新しいRC・Fなどよりも断然に「GTカー好き」の心を揺さぶってくれます。

  どうやらトヨタは新しいスープラを企画しているようで、その設計・開発・製造をドイツのBMWとかいう弱小メーカーに委託したようです。このメーカーについてはよく知らなかったのですが、なんと日本にも正規輸入がされているんですね!!!ただし公式HPでその製品を見たらなんだか、ボデーちょっと古くさい断面を使うスタイルで、まるで東欧諸国で見かけるような昔のアウディを連想させます。どうやら日本にも完全にオタク・マニア向けに輸入されているようですね。価格もちょっと高めのマニア価格でした。こんなメーカーに任せて大丈夫なのかな〜・・・なんか嫌な予感しかしないです。

  さらに「なんじゃこりゃ!」と思ったのは、Dセグ?と思われるクラスのセダンでもいまだにサイドブレーキのレバーがセンターコンソールに生えているんですよ!!!日本ではかなり昔に使われなくなっていて、割と最近まではに日本でも一番遅れているとされる広島のマツダというメーカーだけが使ってましたが、さすがに恥ずかしくなって一昨年くらいに廃止してましたね。小型やスポーティなモデルではまだまだ使われていますけども・・・。

  しかしよくよく考えてみると、GTカーにはサイドブレーキレバーがぜひ欲しいですね。別に私は「滑らす」ためとかじゃなくてコクピットデザイン的にいいかなと・・・。トヨタの社長はとても「滑らせる」のが大好きなようですから、このBMWってメーカーに恐らくよく「滑る」GTカー作らせているのかなー。個人的にはGTカーは滑ってはダメだと思っているんですけどね。スープラも決して滑らせるクルマじゃなかったんですけども、トヨタの社長の趣味がヘンに発揮されるとメチャクチャなクルマ(公道の凶器)になりそうですね・・・。

  速いクルマならいくらでもあるので、やっぱりスタイルを追求してほしいですね。調べた限りだとBMWにはデザイン面では何も期待できそうにないです。本当に素晴らしいGTカーを作り上げるつもりなら、ピニンファリーナ(イタリアのデザイン会社)にオファーするべきだと思います。このピニンファリーナは2000年代に入ってあまり市販車のデザインをやらなくなりましたが、それでもその少ない中でアルファロメオ・スパイダー、ボルボC70、マセラティ・グランツーリズモなど、さすがと言える2ドアデザインを送り出しています。ボルボに倣って日本やドイツのメーカーはイタリアのデザインに頼るしかないんじゃないでしょうか・・・ホンダやマツダのようにフェラーリ(ピニンファリーナ)がパクるくらいのデザイン力があれば別ですけど。

  世界的なブランドの中で、バリバリのGTカーデザインを誇る現行モデルって一体どれだけあるの?「アウディR8」「BMWi8」「BMW6er」「AMG・GT」「ポルシェ911」「ポルシェケイマン」「アストンマーティン・DB11」「アストンマーティンV12ヴァンテージ」「アストンマーティンDB9」「アストンマーティン・V8ヴァンテージ」「アストンマーティン・ヴァンキッシュ」「ベントレー・コンチネンタルGT」「ジャガーFタイプクーペ」「ロータス・エヴォーラ400」「フェラーリ・カリフォルニアT」「マセラティ・グランカブリオ」「マセラティ・グランツーリズモ」「ホンダNSX」「レクサスLC」「日産GT-R」「シボレー・コルベット」「ダッジ・ヴァイパー」「ダッジ・チャレンジャー」「フォード・マスタング」。

  結構ありますね・・・しかし最もお買い得であろうフォード・マスタングの日本撤退は悔やんでも悔やみ切れないです。正規輸入の中で最もお買い得なのは!!!なんとポルシェ!!!最も安いGTカーがポルシェというとても歪な状況を一刻も早く変えるためにトヨタとBMWには次期スープラの早期の発売を期待したいです。しかーし800万円〜とかいうとんでもない価格設定で、最廉価はケイマンのまま!!!という可能性もありますが・・・。個人的には「ダッジ・ヴァイパー」の正規輸入に期待したいです。これこそが現代GTカーの理想型じゃないかと思います(約900万円〜なのでGT-R北米価格より安い!!!)。
ダッジ・ヴァイパーの動画


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2016年5月11日水曜日

英国経済復活で・・・いよいよ「タスカン」が再始動するみたいです。

  この20年あまりの間、ドイツブランドや日本ブランドが世界で大活躍するのを、指をくわえて見続けてきたイギリスの自動車産業は、完全に新しい展開を迎えているようです。21世紀に入って巻き起こった業界再編の中で、イギリスの自動車産業はことごとく独立性を失っていきました。日本メーカーも状況はほぼ同じで、トヨタとホンダ以外は全て外資に身売りしましたが、イギリスでは一定規模のメーカーの全てのブランドが身売り・・・。

  ベントレーはVWに、ロールスロイスとMGローバーはBMWに、アストンマーティンとジャガーはフォードにそれぞれ買収されましたが、これら「まとも」な自動車メーカーに買収されたブランドにとっては幸運だったようで、再びクルマを自力で作るだけの開発&製造スキームを、あるいは必要に応じて開発が難しい部分の供給を受けられる体制を作ることができたようです。F1で知名度が高いマクラーレン・カーズが2010年頃から市販車の取り扱いを再開して新型モデルを次々と発表し、一躍スーパーカーシーンの主役に躍り出ると、それに続けとばかりにインドやカタールといった新興国資本を株主として復活したジャガー=ランドローバーやアストンマーティンも、日本に直営ディーラーを建てるなど再び攻勢にでています。

  そんな押せ押せムードのイギリススポーツカーブランドですが、10年前まで日本にも正規輸入を行っていた名門ブランドがいよいよ復活を果たします。一度はロシア資本に身請けされたものの、倒産の憂き目を経て再び英国資本で再建されたのが「TVR」というGTカーや小型スポーツカーが得意なブランドです。英国人の資本家レス=エドガーが「イギリスの誇りを取り戻す」と宣言してから活動が再開し、デザイナーにはマクラーレン・F1を手掛けたゴードン・マレーが登用されたようです。

  英国人が英国人のために英国車の誇りを取り戻すためにGTカーを作っているという話なんですが、・・・日本メーカーで例えれば!?水野和敏さんが日産でGT-Rを作ったみたいなものでしょうか。どう考えても中途半端な仕事で終わるとは思えない雰囲気です。日本でも再び人気が高まっている英国車・・・だけどどうでしょうか?多くの日本のユーザーはジャガーのXFとかXEとかいったドイツ車もどきなセダンを買って満足しているような気がします。あるいは・・・マツダロードスターのコンセプトを拝借して自らのアイデンティティとしたロータス辺りをよく見かけます。マレーシア資本でトヨタのエンジンを使って作られる日本風のスポーツカー・・・もちろんイギリスにもライトウエイトスポーツの伝統はありますけど(コーリン=チャップマンに敬礼)。

  ロータスはともかく、ジャガーのセダンはどうも期待ハズレですね。デザインにオーラが無いです(B◯Wのコピーみたい)。内装も走りも「これは!」ってのが無い・・・作っている連中の熱意ってのが伝わってこないです。それに引き換えエモーショナルだと感じるのはFタイプですね。もちろん900万円以上という価格帯ゆえの「説得力」もありますが、発売当時に誰もが「これは安いのでは?」と感じたでしょうし、ジャガーの売る気マンマンの気合と、「これが新生ジャガーです!!!」という挨拶代わりのインパクト大な待望のGTスポーツカーだったんじゃないかと思います。

  やっぱり英国車を買うならGTカーかな〜・・・。セダンはダメだ。なんて思っていた矢先に舞い込んできたTVR復活のニュースです。免許取りたての頃(2000年頃)に、日本で販売されていた幾多の輸入ブランドの中でもとびきりの個性派だと感じたのが、「TVRタスカン」(2代目)でした。4Lの直6エンジンで350psくらい出るのに、車重が1200kgの2シーターですから、フェアレディZをあらゆる意味で過激にしたような「エクストリーム」なスポーツカーだったと記憶しています。その佇まいは古のフェラーリ・デイトナ(365GTB)を思わせるような「王道GTカー」そのものでした。

  同時期の英国GTカーといえば「ジャガーXK」と「アストンDB7」という稀代の好デザインGTカーの時代なんですが、それでもタスカンの存在感と、孤高ともいえる欧州の古典的なスタイルを正常進化させたような「味の濃さ」を感じましたね。日本の道路だったらXKやDB7よりも断然に目立つはずです。

  新生TVRの門出を祝う「タスカン」後継モデルは、2017年の発売を予定しているそうです。2017年前後に発売を予定している新型GTカーあるいはスポーツカーは、噂の部類も含めてかなりの数に上ります。アストンマーティンのフラッグシップ「DB11」やレクサスLC、ホンダNSXなどが話題ですけども、それ以外に「アルファロメオ・ジュリアクーペ」、「インフィニティQ60(スカイラインクーペ)」、「フォードGT」。さらにマツダ(RXヴィジョン)とDS(E-TENSE)からいよいよ王道GTカーが登場するのでは?という噂もあります。そしてアルピーヌからもスポーツカーが復活らしい・・・。

  数年後の赤坂・六本木界隈の休日の地下駐車場には、見渡す限りのGTカーと高級SUVばかり・・・(それとスーパーカー)といった光景が広がるんでしょうか!?オシャレじゃなきゃクルマじゃない!!とかいう過激なコピーがクルマ雑誌に並び、今以上にプレミアムブランドによるプロモーション合戦が繰り広げられるてそうです。・・・都心でクルマをオシャレに乗る人は、ドイツ車のセダンとか呑気に買っている場合じゃないですよ!!!あと1年しっかりと貯金して2017年以降のトレンドを見極める必要がありそうですね。

2000年頃のTVRタスカンの動画を付けておきます!!!
シフトレバーがカッコいい!!

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2016年5月7日土曜日

GT-Rと同等の加速をするフルサイズセダンがすでに市販・・・おいおい。

  テスラ・モデルS・アメリカ政府の手厚い保護により頭角を表したテスラの大ヒットモデルです。ボデーは大きめのEセグセダンくらい。バッテリーをたくさん積んで航続距離を500km程度まで伸ばしているEVです。フーガがリーフのようなピュアEVになってそのボデーにバッテリーをたくさん積んで航続距離を伸ばした感じのクルマです。発売当初は800万円を下回るくらいだったのですが、最新モデルはいよいよ1500万円にまでなるようです。

  このクルマは年次改良で、価格も上がるけどスペックがどんどん上がるという、なんとも新しいタイプのクルマです。そのスペックの上昇度が、ノートパソコンのメモリーやハードディスクの容量が上がるかのようで、完全に自動車業界の常識を越えてます。その最新バージョンである「テスラ・モデルS・P90D」ではいよいよシステム出力が773psまで到達したそうで・・・スペックだけ見るとケーニッグセグか何かですか!?(笑)。最高出力は0-100km/hの公式タイムが2.9秒だそうですよ〜。

  フェラーリが最新の488GTBでやっと到達した3秒を切るタイムを、4ドアで車重2.3トンもあるセダンが実現してしまうって・・・まあ加速だけがスーパーカーの価値ではないですけど、「BMWアルピナB6グランクーペ・アルラッド」というモンスターセダンが3.9秒を達成すると、今度はおなじみの「アウディS8」がFMCによってV8ツインターボ600psに換装されて3.8秒を誇りますけど、この両者(どちらも2000万円以上!)をあっさり追い越していきました・・・。もうポルシェもアストンマーティンも現行モデルのセダンでは太刀打ちできません。

  7erやSクラスくらいの豪華なボデーながらもGT-R並みの加速しちゃうわけですから、よく考えればこのクルマは全くエコじゃないですね。もはや石油関連企業から利権を奪い取るために新エネルギー発電関連企業が仕掛けたという陰謀論まで噴出しそうです。これに日本の電力会社まで加担して拡販をはじめたらいよいよ怪しいですね。クルマ自体はゼロエミッションですけども、エネルギー消費量はバスとかトラックに匹敵するんじゃないでしょうか。英国価格で約1500万円というスペックを考えればかなりのコスパに感じますけども、このクルマを日本で乗るのはかなり大変みたいです。

  あるユーザーの話によると、家庭用電源で充電しようとすると200Vで40Aも必要なんだとか、しかも充電完了までに要する時間は12時間だそうです。1500万円もするEVなんだから放電にはなんらかの対策が取られていると思いきや、未だに大量の電気を蓄える具体的な方策がないように、電気は「無くなる前に使わないといけない」生ものみたいです。一応後続距離は500km程度はあるようなので、国産のリーフやiミーブほどにこまめに充電する必要はなさそうです。週に1回やれば十分かと。ハイオク満タン(航続距離500kmくらい)で1万円が消えていく高級セダンを基準に考えればいくらか経済的なメリットは見出せそうですが・・・。

  そんなテスラ・モデルSですが英国カーメディア(AUTO EXPRESS)のユーザーアンケート企画で、上位を独占しているレクサス軍団を全て抑えてトップに輝きました。ユーザーアンケートとはつまり「何度故障したか?」とか「満足度は?」とかの統計で、その中でモデルSはイギリスで市販されるクルマのナンバー1を獲得したということです。レクサスが何気にイギリスを席巻していたのもちょっとした驚きですが、それをモデルSがまとめて追い抜かしているとは・・・。アメリカの世界戦略は展開が早いですね。

  テスラに対する現状打破の期待ってちょっとありましたよね? 既存メーカーがセオリー&セオリーな戦略しか取らずに魅力的なクルマが減ってきたなという閉塞感をこのブランドが破壊してくれるのではないか?という期待が。メルセデス、BMW、アウディ、レクサスが主導権を握って利益を出しまくる時代に風穴を開けてくれるんじゃないか? 確かに顧客の評価でレクサスを喰い破って、性能でもBMWやアウディをケチョンケチョンにしているわけですから、ある程度は期待通りなのかもしれないですけども、1500万円のセダンを当たり前のように売るブランド・・・プレミアムを越えた超プレミアムブランドになってしまった〜・・・。これにはちょっと複雑な想いがします。

  アメリカ連邦政府の保護政策というこれ以上ない安全な環境で、ビッグベンチャーとして旗揚げしたテスラでした。当然のようにアップルのようにクルマをよりユーザー本位の製品へと変えてくれるだろう! アメリカの最先端の人間工学による自動車産業の「大転換」が見られると思っていたのは浅はかな読み違えだったようで・・・これからの時代は欲しいクルマは1500万円&相応の維持費を負担しないと乗れませんよ!という資本主義のシビアな「末路」を見せられたのではないか・・・という気が。つまり従来のフェラーリやポルシェのユーザーくらいの財力こそが、クルマを巡る資本主義での最低限のプレーヤー資格だと。なんか敷居が高い話ですね〜・・・。

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