2015年10月20日火曜日

ボルボS60T6 "ファイナル"ボルボ直6が大特価!

  いよいよ生産中止がアナウンスされてしまった「ボルボ」の直6エンジン搭載車ですが、中古車で検索すると未使用車が乗り出しで「400万円」という想像を越えたバーゲン価格でかなり多数並んでいます!日本向けの最終ロットも大人気で売り切れました〜!!!と景気良く報道されていましたが、どうやら・・・いろいろあるようです。しかし未使用の直列6気筒モデルが400万円なんてもう二度とないチャンスですから、もう反射的に考えちゃいましたよ! マンションの隣りの駐車場が空いたようだから思い切って押えておこうかな・・・S60ならギリギリ青空駐車場に停まっていてもおかしくないですかね?

  冷静に考えると「ランエボ"ファイナル"」に400万円を使っておいた方が、後々にプレミアが付いてお得感はあるんでしょうけどね。どうやらボルボ車の下取りは数年前から相当に酷くなっていると評判らしいので、乗り出しで700万円を越える高性能の「ボルボS60T6」が未使用とはいえ400万円が相場みたいです。フォードから中国資本へ売却されたときに、日本からの撤退が噂されてボルボの中古車価格が大暴落したことがありました。今でもまだ10年経っていないモデルが二束三文で売られていて、100万円以下でお手軽に輸入車をゲットするにはちょうどいいブランドとなっています。

  最近のボルボはディーゼル搭載を一気に進めてきました。ボルボ車の頑強なボデーのイメージからパワフルなディーゼルがどことなく合うのかもしれませんが、北欧スウェーデンはディーゼル車なんかとんでもない!という厳寒の地なんですよね。特殊な処理がされていない軽油(2号)の凝固点はマイナス5度くらいですから、東京でも真冬になれば注意が必要です・・・。冬になればマイナス15度くらいまで大丈夫な3号灯油が供給されるようですが、これは通常の気温ではエンジンを痛める可能性があるとか・・・。とにかく寒い地域でディーゼルはなかなか厄介な存在です。くれぐれも「ボルボはやっぱりディーゼルだよね!」なんて訳のわからないことを言わないようにしたいです。

  さてボルボの直列6気筒モデルに話を戻しますと、やっぱり無くなってしまうのは惜しいなと感じます。FFベースのクルマに重量のある6気筒エンジンを載せると、当然にクルマは前後重量バランスが厳しくなるので、ボディ全体をやや重くしてエンジン重量による影響を最小限に抑えよう設計されます。FF車のメリットとして軽量化があるわけですが、どうせクルマ全体を重くしなければいけないのならいっそのことAWD化してしまった方がいい!という判断もあるようです。

  アウディのように最初から縦置きエンジンを使ってフルタイムAWDをメインに仕立てる設計でも同じことが言えますが、どれだけ優秀なAWDシステムを構築しても、しっかりとクルマの挙動を抑え込む「しっとりとした」足回りが不可欠になります。クラウンやフーガのような国産のFRセダンはそれほどハンドリングを追求しない代わりに乗り心地重視のフニャフニャの足回りをつかいますが、ボルボS60やアウディA4に同じ方法は・・・基本的には好まれません。欧州での250km/h巡航性能を保証するとなると、BMW3シリーズのようなひたすらに無機質な乗り味にするか、CクラスやジャガーXEのように高級車に使われる重厚なサスペンションをコストをかけてでも仕込む必要があります。

  ボルボS60はBMWの方式を採り、アウディA4はCクラスやXEの方式を使いました(CやXEの方がA4の真似をしたわけですが)。ボルボS60は・・・FF車ベースという特性もあるのかもしれないですが、BMW3よりも前輪の接地感に手応えがあって、路面と前輪のコンタクトがそのまま操縦するワクワクにつながります。一方で3シリーズはというと、なんだかス〜・・・と走ります。特にタイヤの食い付きが悪いということはないですが、スタッドレスタイヤの味気ないフィールは、ハンドリングだけでなくアクセルやブレーキからもひしひしと感じます。これだけのぬるいフィールにさらに6気筒が積まれてハナ先が重くなるとやはりダルいかも・・・。

  さてボルボですが、スウェーデンのメーカーだけあって、過酷な路面状況があれこれ想定されているのか、実際に乗るとライバルとなるドイツ車や日本車よりも足回りのまとまりがいい!!!と素直に感じます。エンジン屋のBMWやホンダとは全く別の部分が優れたメーカーなんだ!という事実をまざまざと見せつけられます。スバルやBMWの足回りを強化したクルマに乗ると、特製ダンパーを使用した効果で入力に対する減衰力は確かなものを感じますが、ボルボの足回りとはダンパーに由来するものではなく、そもそものサスペンション自体の剛性の高さに秘訣がありそうです。

  堅牢なボデーを長年作り続けてきた結果、そのクルマ作りに合った秘伝のバネレートが選択されていて、その結果メルセデス、BMW、アウディよりも乗り味に優れるという評価につながっているようです(断定的なことは言えないですが・・・)。日本メーカーでしっとりとした乗り味を作るのが日産のスカイラインとマツダのアテンザの2台です。この2台は・・・足回りに関してはレクサスを完全に超越した高みに辿りついています。この2台に乗ったあとにレクサスGSに乗ると、あれれ?とレクサスの弱点が面白いくらいによくわかります。レヴォーグや3シリーズなんて・・・スカ/アテに比べればパサパサで無味乾燥です。しかしS60は不思議と好感が持てます。

  まとめると、スカイラインやアテンザに通じる「しっとり」系のGTツアラーが欲しい!という人には「ボルボS60T6」はかなり理想的なモデルと言えます。直列6気筒のスムーズな噴け上がりと、高級感溢れるエキゾースト(これ重要!)、ハンドリングも極めて上質で、飽きないドライビングができますし、なにより長距離を走るにおいて重要な「しっとり」とした乗り味が最大のセールスポイントです。もちろん3シリーズで長距離を走ったって体がユサユサされるということはないです。

  しかし「しっとり」系の乗り味は、3シリーズのようなとてもよく出来たクルマさえもさらに超越してしまうレベルです。何が違うかというと、加速・減速におけるGが滑らかに発生して、とても心地良く走りの「高級感」を作りだすところです。滑らかな加速Gは多段式ATで引き出すものだ!と決めつけているライターさん見かけますけど、これはミッションよりもむしろ足回りに起因するものですよ! 多段式が進めば設定にもよるでしょうけど、アクセルフィールと実際の加速がどんどん乖離して変な乗り味になります。ボルボ/日産/マツダ・・・これらの本気を体感してしまうと、ドイツ車やレクサスなんて二流に過ぎない・・・なんて思いっきり反感を買いそうな「余計な一言」がポロリと出てしまうんですよ。ちょうど1年くらい前のオートカーでの森慶太さんの記事にも同じようなことが書いてありましたけどね・・・。

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↓この本読んでやっぱりそうだよね!って気分でこの記事を書いちゃいました!とりあえず含蓄のあるいい本です!

  

  

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