2014年4月21日月曜日

BMW M235i 「残念ながら次を待つべき」

  BMWがかなり意識してCMを仕立てていて、70年代の名車を引き合いに出していることからも、引退世代の人々に買ってもらいたいという意図が良くわかる。30~40代といった従来のBMWのターゲット層は今回は完全に置き去りにされている。中にはあのCMでBMWの本質に触れた気分になって買ってしまう若者もいるのかもしれないけど、まだ買うのは早いのかなという気がします。これからこのモデルはさらに良くなっていくのは確実ですから!

  以前に他のブログで「限りなくポルシェに近い!」なんて軽々しく言ってしまいましたが、あと100kgはシェイプアップしないとケイマンの代替モデルには成れないですね。RWDならばミッドシップの方がプロペラシャフトの分だけ確実に重量が稼げますし、この「M235i」のようなFRだとどうしても前方に搭載されるエンジンによって前後重量配分に偏りができてしまい、トラクションを確保するため(駆動輪に車重がかかるようにする)にもクルマ全体を重くしなければいけなくなります。これを抜本的に解決するには、BMWが新型で軽量化された直6エンジンを開発するしかない!となってしまうわけです。

  BMWや日産はセダンベースの改造スポーツモデルを主眼にしているので、ポルシェ(911、ボクスター、ケイマン)を相手にするならば、構造的なハンデキャップを抱えていることになります。VWグループのようにアウディはFFベースでポルシェはRRベースといったトラクション重視の設計はやはりとても説得力がありますし、メルセデスやレクサスのように「スポーティ」をFRで追求することは無益と判じるのも極めて合理的です。「FRだけど根性(技術)でカバーするぞ!」みたいなバカ全開の男臭さが、BMWや日産GT-Rの魅力だったりするのかもしれませんが・・・。

  BMWが最近発売したM3/M4は目一杯?の軽量化に取り組んでいて、400psオーバーのスペックで1500kg程度まで抑えることに成功しています。これでパワーウエイトレシオは従来モデルよりも大幅に向上していて、さすがにスーパースポーツの911GT3には及びませんが、RWDモデルの911カレラSと同水準にまで持ち込んでいます。BMWの執念を感じるM3/M4なんですが・・・いまいち盛り上がっていないのが残念です(価格かな?)。

  さてそんなM3/M4と比べてしまうと1550kgとややウエイトダウンが不十分な印象があるM235i。あれだけスポーティさをCMでアピールしておきながらも、乗り味重視のヘビーな設計にはBMWのしたたかさすら感じます。去年の半ばに報道された南アフリカのロスリンでラインオフしたプロトタイプは車重1350kg程度と報じられていましたが、フタを開けてみると全くコンセプトが変わってしまうほどの1550kgに落ち着きました。果たしてプロトにあった問題点とは何だったのか?考えられるのは2点で、1つは「静音性・乗り味がいまいちだった(ので防音材を追加した)」。もう1つはあまり想像したくないのですが、「軽量化のための素材が高コストなために仕様が変更された」です。

  どちらの理由にせよ新規設定された2シリーズクーペの最終的なコンセプトは、スポーティではなく、高級感ある乗り味に落ち着きました。BMWにおけるこのクルマのポジションを考えると「スポーティ」を連想してしまいますが、乗ってみてビックリの静粛性だったりするわけです。スポーツカーを心から渇望する人にとっては物足りなさがあるでしょうけど、これからBMWオーナーになる人にとっては「さすがはBMW!スポーティモデルでも高級感が隠し切れない!」という満足感につながるのかもしれません。実際にそういうクルマに満足する人が大多数というのも事実なんですが・・・。やっぱり次が見てみたい気がしますね!


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BMW2クーペ」CM動画

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