2013年2月24日日曜日

プジョー・クーペ407

    現在、経営危機のど真ん中にあるPSA(プジョー・シトロエングループ)の中核メーカー・プジョーは10年前の「フレンチラグジュアリーの復活」路線を完全に放棄し、ドイツVWの真似をするようになってしまった。経営危機に向かう自動車メーカーに必ずといっていいほど存在するのが、「あまり売れなかった名車」だ。「407」はプジョーがドイツプレミアムに匹敵するブランド確立を目指して作ったハイテクセダンだ。そのコンセプトは意外なことに、当時欧州で脅威的な販売数と人気を誇った日本メーカーのミドルセダンから流用している。

  「MAZDA6(アテンザ)」の欧州での成功は、「コストパフォーマンスの成功」に尽きる。VWグループにシュコダやセアト、韓国のヒュンダイやGMグループのオペルと低価格をするわけではなく、堂々とBMW3と同じ価格を付けて、その装備でBMW3を片っ端から上回る「良い部品」を使っただけである。ヨーロッパではBMW3はクルマ好きな学生が弄って乗るようなクルマだそうだ(そのサイズが日本で売るには都合が良いので、最高級装備パッケージのみを日本に持ってきているとか・・・)。

  MAZDA6はなんといっても、フェラーリやアストンマーティンのようなスポーツカーかベンツやBMWのフラッグシップセダンにしか使われていないようなサスペンションを搭載している(日本メーカーのセダンでは常識ではあったが・・・)。それを欧州販売に合わせて250km/h巡航に対応した高いボディ剛性で同クラスのアウディやBMWと同等以上に仕上げている(日本にはスカイラインというオーバースペックの「化け物」がいる)。

  この日本の「FFの高性能セダン」の登場に色めきだったのが、プジョーとアルファロメオで、さっそく「日本バージョン」の4輪ダブルウィッシュボーンに取り組み、それぞれプジョー407とアルファロメオ159を完成させた。それぞれ両社の歴史に名を残すハイテクセダンになるはずだったが・・・。まもなく襲ってきた世界的経営危機のなか、コスト感覚が完全に狂っていたせいか、どちらも短い期間での生産に終わってしまった・・・。スカイラインの日産もアテンザのMAZDAにしても、コスト度外視した名車を作るようなメーカーはいつも綱渡りだ(最近の日産やずっと安定のT社のクルマが悪いというわけではないですが・・・)。

  このプジョークーペ407かアルファロメオブレラを永久保存版として1台欲しいなと思いますね。中古車めちゃくちゃ安いです!200万円切ってたりするので買ってしまおうか?だけど修理代が高く付くのは目に見えてますし、ハイオクだのオイルは純正だの3000kmごとだの・・・etc。なかなかハードル高い(らしい)んですよねラテン車は。ならVC36スカクーも200万円以下も出てきたので、こっちにしておこうか(最近リアのデザインが気に入らないんだよな・・・)。やっぱりRX-8かな、けどロータリーの中古も怖いな・・・。中古車市場はとても悩ましいです。50万なら怖くもないですけどね・・・。

2013年2月23日土曜日

アルファロメオなら「GT」より「ブレラ」だ

  輸入車で買ってみようかなと思わせてくれるクルマは、なかなか無かったりします。BMW6などはかっこいいのは分かるのですが、車幅1890mmとなると、都内のコンビニやラーメン屋の駐車場(道路沿いの狭いヤツ)に停めるのは至難のワザですね・・・。現実的に所有してちゃんと使えるクルマは限られています。そういう心配をしなくてすむ小型の輸入車となるとなんというか「粗雑感」があって、これなら日本車の方がいいなということも多いです。

  そんな中、この「ブレラ」というクルマは輸入車のオーラ漂う内外装の質感と、納得の動力スペックを持ち合わせた、ちょっと食指の動く一台です。簡単にいうとアルファロメオ156(Cセグセダン)のクーペ版です。アルファロメオ156とその後継の159は日本市場から撤退してしまって、まもなく生産中止だそうですが、その基本性能はCセグFF車としてはなかなかのものです。ブレラに設定されているのは直42.2LのNAエンジン(3.2LのV6もある)でフロントサスがダブルウィッシュボーン、リアサスがマルチリンクと理想的なパッケージです。右ハンドルでMTのちょうど良い中古車があれば(色も大事かな)、マツダやホンダのファンなら欲しくなるんじゃないでしょうか?

  だいたい200万円くらいで買えるので、ドライブを楽しみたいならアクセラやオーリスの新車はやめてこれにしてもいいですね。ただ故障のリスクは日本メーカーと比べて相当高いらしく、AT車は避けた方がいいとか・・・。あとある程度はエンジンを弄れるくらいに勉強しておかないと、変な症状が出た時にパニックになりそうですね。

  このクルマももう一つ素晴らしい点が内装です。日本車やドイツ車のインパネとはデザインの概念が違うのか?というほどに良く出来ています。インパネのデザインでこれほどに惹き込まれたのは初めてかな・・・。見ればみるほどに整った良いデザインです。これは156も159も共通して素晴らしいです。現行のジュリエッタ(悪くないですが)とはぜんぜん違いますね。クルマ乗ってる間ずっと見ていなきゃいけないのだから、内装が「退屈」なクルマは嫌ですね・・・。マツダやスバルの以前の内装はあまりにヒドいので中古車を買うのを躊躇ってしまうほどです(BL系レガシィは内装以外はいい感じなのですが・・・)。

  このアルファロメオ・ブレラはデートカーとしては最強の一台ですね(これぞスペシャリティ&ホットハッチです!)。クルーズカーとしての動力性能も十分で、ドライブも絶対に楽しいと思います。もし機会があったらぜひぜひ所有してみたいですね。

2013年2月22日金曜日

ホンダシビックtypeR VS トヨタ86 VS マツダRX-8

  メルセデスSLKにMTが復活するらしい。そもそもメルセデスの日本仕様の他の車種にMT設定は当然ないので、メルセデスとしては新たな「展開」なので注目したい。従来のメルセデスエンジンはスポーツ走行に向いたものではなく、小型スポーツならホンダやマツダのエンジンにとても敵わないし、そもそもメルセデスのターボは三菱GDIの改良型なので、道義的にランエボの対抗車種を出す事は、少なくともプレミアムブランドのやることではない(出したとしても勝ち目はない)。

  しかしいよいよメルセデスもそんなことは言ってられない状況なのかもしれない。日本のスポーツカー市場に商機を見いだしているらしい(日本メーカーもすっかりなめられたものだ・・・)。それにしても1.8LターボのFRにMTという理想的なスペックになっている。メルセデスに転属した元三菱の技術者が日本市場の惨状を憂いてドイツで作ってくれたのだろうか?(日本市場に参入する気の利いたスペックのクルマは日本人の設計が多い)

  SLKの事ばかり書いてしまったが、この状況を招いたのはホンダとマツダが本来の実力を発揮したスポーツカーを出さないことが遠因だと思う。マツダはなんでRX-8を引っ込めてしまったのか(円高に耐えられなかったのかな)?ホンダはどうやら次期シビックtypeRを来年にも発売するようだが、この空白の2013年を狙っての素早い「MT仕様SLK」を投入するメルセデスのフットワークの良さは素晴らしいですね。まるでトヨタ86が失速するのも予期していたかのようなタイミングでした。日本の他のメーカーはあと1年は86でいってしまうと考えていたのだろうか。

  もし今ホンダS2000の後継モデルが発売されたら?ダイハツの軽スポーツが発売されたら?と考えてしまう・・・(来年一斉に登場して潰しあうんだろうな)。クラウンが1ヶ月で25000台も売れてしまうのだから、ベンツSLKだって買おうと思えば買える人はたくさんいるだろう(GT-Rはやっぱりちょっと高いな)。ホンダもマツダもこのタイミングでシビックRやRX-8の後継モデルを出したかったな(CR-Zはもう諦めたほうがいいかも・・・)。

2013年2月21日木曜日

マセラティGTを頑張って買ってみようか・・・

  今、日本で発売されているクルマの中で、最高のクルーズカーはマセラティGTだと思います。4シーターの2ドアクーペで全長は約4855mmで、レクサスGSや新型アテンザ並みの雄大なボディは日本を走るのにギリギリのサイズでしょうか。フェラーリ458やメルセデスCLは日本では目立ちすぎて十分に楽しめないかなという気がします。

  何よりスタイルが素晴らしくいいですね。比較するクルマではないのですが、2代目アテンザの斜め後ろからの姿を見て一目惚れした時の思いが蘇ってくるくらいいい形してます(なら2代目アテンザでいいじゃん)。RX-7FD3SやアウディTTのようなオーラを感じます(両方とも中古で150万で買える・・・)。もうそれだけで十分です。このクルマの最高速度が150km/hだったとしてもOKですね(実際は250km/hちゃんと出ます)。

  肝心の価格ですが、中古車なら1000万円を切る価格に押さえられていて、日本のサラリーマンならギリギリ手が届きそうなところです。個人所有で楽しめるクルマの一つの上限価格が1000万円辺りくらいで(もちろんかなり高いです)、だいたい中古車の取引価格もこれを前提とした価格に収束するのかなという気がします(もちろん本体価格が大前提ではありますが)。状態の良いものが約1000万円の価格ならそのクルマは日本の最高ランクのプライベートカーだと思います。マセラティ・アストンマーティン・ベントレーがこの辺でしょうか(フェラーリ・ランボルギーニは別格)。

  もっと大衆的なクルマ(それでも十分高級車)なら一気に値崩れして300万円くらいになる(収束する)ようです。かなり大雑把ですがベンツCL/SLやBMW6シリーズ、ポルシェボクスター、ジャガーなんかがこの辺でけっこう適当に値段が付いている気がします。

  トヨタ86やマツダアテンザを新車で買うか、BMW6を中古で買うかは趣味とかポリシーの問題でしょうか。クルマを楽しみたいなら自由に使える300万円を作れば、ある程度は好きなクルマが自由に選べる日本はとってもいい国だなと思います(アメリカは300万円でBMWの新車が買えるけど・・・)。

2013年2月20日水曜日

マツダRX-8は継承されるのか?

  2012年に惜しまれつつ生産中止になった2代目アテンザじゃなくてRX-8は、ロータリーエンジン搭載のスポーツカーというだけでなく、「マツダ版4ドアクーペ」というべきオリジナリティ溢れるボディで人気を呼んだ。先代のRX-7が世界にその名を轟かす名車であったためその熱狂的なファンはRX-8を「ファミリーカー」と揶揄したが、このクルマはRX-7とはまた違うタイプの名車と言える。

  4シーターで実用性が高いボディにロータリーエンジンを組み込み、究極のコーナーリングマシンと評された運動性能がパッケージされて300万円以下に押さえられた本体価格は若者にも十分手が届く設定でした。こういうクルマがあることが、多くの若者にとって目標を持って仕事に打ち込むことができる「夢のある社会」なんじゃないかなと思います。このクルマが発売された頃が大学を卒業するちょっと前の時期で、これに乗りたいから仕事を頑張ろうと思いましたね・・・。

  4ドアクーペといえば、メルセデスCLS(2005年発売)がよく知られていますが、それよりも早くクーペを4ドアにするコンセプトはこのRX-8(2003年)で実現している。この特殊なボディの誕生秘話は当時、経営統合を行っていたフォードとマツダの理念の衝突から起こったと言われている(フォードが4ドアを主張して譲らなかったため)。フォードとマツダの関係は決して建設的なものではなかったといわれているが、今のマツダを支える主力モデルはほとんどフォードの子会社時代に完成しており、少なくともマツダのクルマ作りにはいい影響を与えていると思う(さらにマツダのヨーロッパ拡販もフォードの力が大きい)。

  このRX-8式の「4ドアクーペスタイル」は、スポーツ性能を重視する他の軽量スポーツが実質2シーターの空間しか確保できないのに対して、フォードの指示とはいえ4シーターを実現したことにとても意味があったと思う。Cセグのセダンと比べると、後席は確かに狭い(FRなので)が、独立したシートになっていて、Cセグの後席によくみられるベンチシートよりも高級感があり優れている点もある。

  マツダはこの4ドアクーペのスタイルを今後もぜひ残してほしいと思う。後継のスポーツカーは再び2ドアになるかもしれないが、たとえばCセグのアクセラのスペシャルモデルとして、4ドアクーペスタイル(しかも4WDのターボ)を導入してほしい。あの観音開きのドアには、なんともいえない魅力がある。

  

2013年2月19日火曜日

トヨタ86を見直そう・・・

  トヨタ86というクルマを発表からいままで、やや誤解していたかも?とこの頃になって思うようになりました。トヨタが出すクルマは安易に批判されたりすることが多いですが、よくよく考えると狙いが解ってくることもあって「奥が」深かったりしまいます。この86も競技用車両とは考えられないくらいの売り上げを記録していますが、普段使いのクルマとしてのメリットがいまいち分からなくて、「漫画のせいか?」とも思っていました。デザインも惚れ惚れするとは程遠い「垢抜けない」ものだし、車高は低くて居住性にも問題あるし、そもそも「ドリフトイメージ」だけで年に3万台とか売れるなんて絶対おかしいな、くらいに感じてしまいます。

  このクルマが目指したもの、ターゲットは、トヨタがプリウスとアクアで「がっつり」取っていったニーズには全く当てはまらない層なんじゃないかと思います。東京から100kmも行けばそこには信号もない山道と感動的な景色が広がる場所が至るところ(周り全部)にあります。逆に50km圏内ではアクセルを全開にする区間は高速道路に限られ、ブレーキを踏むたびにハイブリッドはお得感を感じ、ガソリンエンジンはストレスが溜まります。

  トヨタは都会に住んでクルマが要らない生活を送っている人に「86はどうですか?」と提案するみたいなことを言っていましたが、まさにその通りだったですね(いまさら気づきました・・・)。「クルマを楽しむためだけに所有するならハイブリッドではダメだ」なんてトヨタは決して言わないですが、この86を発売することで日本人に無言で訴えている(と思う)!渋滞でのドライブなんて絶対楽しくないし、逆に10km以上の区間をブレーキなしで走れる山道となればハイブリッドは明らかに非効率だということも明らかです。つまり「ハイブリッドはつまらない」なんてトヨタは当然に解っているのです。

  86の特設サイトで作られて、そこで日本の峠の人気投票を行って特集したとき、にわかに「反社会的」だと批判も起こりましたが、ここに隠されたトヨタの秘密のメッセージこそが「ハイブリッドはクソ!」ということです。ちょっと邪推して別の言い方をすると、「某社のハイブリッドスポーツこそが最強のDQN」と主張しているかのようです。トヨタは本当にこの会社が嫌いのようです・・・。

  トヨタはもう一つ「日本の峠に跋扈するアウディTTやポルシェボクスターを退治する」という使命を86に与えているようです。このドイツ車2台は実用性が低いうえに600万円もする!なのにやたらと売れている。なんで売れるかというと、この2台は山岳道路で抜群の走行性能を誇るうえ日本車でこの2台に対抗するクルマが見当たらないからです。そこに世界のトヨタが本気で作ったしかもたったの300万円しかしないスポーツカーを持ってくれば、そりゃ年3万台くらい楽にさばけてしまうのでしょう。86発売と同時にこのドイツ車2台の販売好調という話はあまり聞かなくなりました。トヨタがやることには必ず深い意味があるんだなとまざまざと感じましたね・・・。「漫画」だけで3万台売れるほど甘くはないと言う事だと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2013年2月16日土曜日

V36スカイラインクーペ

  「日本メーカーでもこれくらい作れる」というある種のカタルシスを感じるほどの名車だと思います。このクルマの登場後、BMW3シリーズクーペやメルセデスCクラス(これは男のクルマではないかも)の街中での存在感はなくなって「クーペならBMW6かEクラスかCL」といった感じになりました。BMW6にはやはり憧れますが、日本の旧道を駆け抜けるなら車幅を考えてもスカクーがいいので、現在では輸入車を含めても唯一無二のポジションになっています。オーナーさんにとっても間違いなく自慢の一台だと思います。 

  特にスカイラインはセダンのデザインがライバルと比べて不得意なのかな?と思います。V35以降車体に伸びがないデザインになって、4ドアがあまり似合わなくなりました。ドアを強調したデザインもプライベートカーとしては減点要因になっちゃいますね。もはやスカイラインの存在価値はクーペに集約されているという気がします。スカクーの前に敗退したBMW3クーペが廃止になり、スカクーを超えるべくBMW4シリーズが今年中に発売されるようです。デザインをよく見ると、スカクーに対抗するために、やや貧相だった3クーペからかなりマッチョな感じになってます。ヒュンダイのジェネシスクーペもこのV36スカクーをベンチマークしていると公言していて、日本車のスペシャリティーカーが海外市場でスタンダードになったというのはまさに「快挙」と言えます。   

  日産はスカクーもフェアレディZも300馬力を超えるハイパワーモデルのみの設定ですが、実際はこんなにパワーいらないけど、クルマの魅力で買っている人も少なくないはず。どこか実用性を感じさせる絶妙なデザイン、「日産」というブランドの身近さや信頼性から、輸入車スペシャリティカーよりも安心感があります。たださすがに近年は燃費ばかりが強調されていまう風潮なので、3.7Lのエンジンは敬遠されてしまいますね。日産の弱みかどうかわかりませんが、2Lクラスのエンジンのラインナップが悪い印象があります(国内市場を軽視したツケか・・・)。プリメーラを作り続けてミドルサイズエンジンを熟成させていれば良かったのでしょうが、ルノー支配下になってヨーロッパ向けはSUV中心のラインナップでルノーとの棲み分けを図っているので、欧州向けプリメーラは不要と判断されてしまったようです。   

  来年にはメルセデスと共同開発の2Lターボが供給され、新型スカイラインに乗るようなので、スカクーにも設定されると思います。ただメルセデスの近年のガソリンエンジンはNAもターボも馬力が出過ぎているので、本当に燃費が良いかどうかはわかりませんが(限りなくランエボのエンジン[三菱GDI]に近い気がします・・・)。燃費ではむしろ日産の3.5Lハイブリッドの方が(確実に10km/Lはでるので)良いかもしれません。   

  さらに現行型のスカイラインの特筆するポイントはインテリアの質の高さだと思います。レクサスのようにゴテゴテした高級感ではなく、かといってスバルやマツダとは雲泥の差がある上質感で国内では一番洗練されています。さすがは北米の高級車部門でBMWやメルセデスを蹴散らすだけのことはありますね。アテンザやインプレッサの内装が日産だったらスゴいな・・・とか思っちゃったりします。   

2013年2月8日金曜日

レクサスGS

  レクサスGSのFMC(2012年1月)から1年ほど経ちます。新たに2.5Lモデルが追加されて価格も510万円(本体)まで下げられました。しかし日産フーガの2.5Lモデルの430万円(本体)に比べるとまだまだ十分に高いのですが、デザインはレクサスの新しい方向性を表していてかなり個性的になり、着実にプライベートカーとしての実力を高めていると思います。クルマの性能も申し分なく、インテリアのデザインや装備の充実も世界を見渡してもクラス最高水準です。これ以上のクルマが今のところ存在しないわけなので、一生このクルマとお付き合いしていこうという人も多くなってきたのじゃないでしょうか。

  レクサスはまだまだ歴史が浅いので、お金持ちの若造が乗ってもある程度は許されるような気もします。高級感があって、先端デザインで、乗り心地や静音性も十分なので、都心や横浜で乗り回すには絶好のクルマです。他のレクサスオーナーは嫌がるかもしれないですが、ノーマルだとやや腰高なので、特に若いドライバーは、トヨタもデザイン重視モデルでは推奨している車高を下げたチューンをぜひやっておきたいですね。ヨーロッパやロシア、アメリカでは収入が多い比較的若い人たちが高級車に乗る事も多いようなので、日本の若い人も対抗(意味不明?)してこのレクサスGSをプライベートカーとして乗りこなしてほしいと思います。

  ただこのクルマはまだまだ発展途上なので、あまり過度に期待しないほうがいいです(それでも他のクルマとは比較にならないほど優れています)。デザインも新しいものが取り入れられたばかりで、今後どのように展開していくかは予想できません。レクサスは今後イヤーモデル(毎年若干の変更を加える)を導入するとしているので、このGSの進化にも注目したいと思います(GT-Rなどを見ると日本メーカーにはまだまだイヤーモデルは定着しないかも?と心配しちゃいますが・・・)。

  また最近、日本では高級車を取りまく環境がかなり変わってしまいました。ついこの前までは、大型セダンには大排気量エンジン(3.5L以上)が当たり前でしたが、その常識が一気に崩れてしまいました(笑ってしまうほど早かったな・・・)。今では3.5LガソリンNAエンジンのクルマは不人気車となっていて、このGSの先代モデル(全て3.5Lか4.6L)は中古車市場で多く売れ残っています[関連記事―別ブログ]。中古車を安く買って、いろいろなカスタムを加えて最高のクルーズカーを作るというクルマ道楽もきっと楽しいですよ(収入のある若い人はクルマなんて乗る暇すらないくらい仕事が忙しいのにイジルなんて到底無理かもしれないですが・・・)。

2013年2月5日火曜日

マセラティGTスポーツみたいな日本車ほしい!

  身長180cm以上ある人にとってコンパクトカーやCセグメント(インプレッサ・アクセラ)はちょっと狭いんですよね。後ろに人を乗せているとちょっと座席を前にしたりして、膝先をインパネに引っかけて体を固定してたりすると、当然長時間運転したら足がパンパンになります。この手のクルマはシートのホールドもあまり考えられてなかったりで、「膝固定走法」をついついやっちゃいます。前はこのCセグに乗っていて、ドライブ旅行は楽しいのですが、なかなか大変だったですね。今はDセグに乗っているので、3日連続で500km以上の移動も楽です。
  ドライブがとても好きなのでどうしても走行距離が多くなってしまいます。2台目があるといいな〜と思ったりしますね。背が高い人のための2台目用のクルマとして全長4700〜4900mm(クラウンくらい)のスタイリッシュなクルーズカーが新車で250万円〜で買えると嬉しいです。日本車でその条件に当てはまるのはトヨタマークX、ホンダアコードくらいしかありません。マツダ新型アテンザとスバルレガシィは前輪のサスがストラットなのでダメですね。
  今はセダンに乗っているので、気分を変えてDセグ2ドアもいいかなと思います(不便?)。こうなると250万円では全然無理ですね(アメリカでは買える)。しかも日本車は種類もほとんどなく、今はスカイラインクーペの独占状態になってます。ただ日産のスカクーは3.7Lエンジンのみの設定なので、思う存分「日本」を走るにはやや燃費がかさみます。しかもV6エンジン搭載でフロントヘビーなのでたまに走っているのを見かけますが、かったるそうに走ってますね。
  どこかのメーカーが作ってくれないかな。レクサスISもクーペが出るそうですが、おそらく新車500万円でしょうか・・・。期待はホンダですね。アメリカで売ってるアコードクーペを右ハンドルにして日本で売ってくれないかな。マツダもアテンザクーペを来年以降にアメリカで発売するようです。だいぶ新しいデザインに自信持っちゃったようですね。いいデザインだと思いますけど、日本人デザイナーのクルマがアメリカでそんな簡単に大ヒットするのか?あと前輪サスを先代アテンザと同じに戻してくれないと困りますね。
  アテンザをクーペにしたら、もしかしたらマセラティGTスポーツのような外観になるのかな?これが250万円で発売されたら大反響間違いなしだと思うのですが・・・。とにかく日本には長距離向けのクルマが少ないです。86とか狭そうで嫌ですね。GTカーとか贅沢なクルマとは別に、300万以下だけど運転が楽しくてロングクルーズに向いているハッピーなクルマを作ってくれないと、若者がクルマに乗らないしどこにも行こうとしませんよね。そうすると日本経済はますます行き詰まるんじゃないかと思います。今は若者がみんな海外へ行こうとしますよね。そうしないと将来、生きていけないよって大人達に言われてみんな行ってそうですね。でもそれで日本経済はどんどん弱っていくわけですね。みんな節約して海外で使う30万円を貯めるわけですよね・・・。

2013年2月2日土曜日

アウディTT

  アウディというブランドははっきり言って嫌いなのですが、それでも未だに「これだったら欲しいな」と思わせるクルマがこのTT。他のクルマとは違うコンセプトが前面に出ていて所有欲をやたらくすぐる魅力があります。このクルマのコンセプトとは「既存のクルマの嫌なところを削ぎ落すことによるプレミアム」なのだと推測してるのですが、このクルマで示されている方向性はとても共感できます。「プライベートカーなのだから所帯染みた後席は飾りでいい」「フォーマルカーでないのだから3BOXに拘る必要もない(ハッチバックでも3BOXよりも美しいスタイリングを目指す)」「スポーツクーペのような窮屈さをなくす」といったとこでしょうか。この3点を見事に達成してプライベートカーの新たなスタイルを作った歴史的名車といっていいと思います。

  このクルマを見てアウディを知ったという人も多いのではないでしょうか。アウディのデザインはセダンだろうがSUVだろうがこの小さなクーペから全て発信されています。レクサスはアウディをお手本にしていると言われますが、このブランドの核心となるTTのような存在のクルマがすっぽり抜けてしまってます。2代目TTが2006年に出たので、ちょっとしたタイミングの違い(レクサスの日本展開は2005年)だったのでしょうが、いまになってデザインの確立を目指すレクサスを失敗と見る向きもありますが、アウディがTTの輝きによって奇跡的なサクセスストーリーを歩んだだけですね(レクサスがんばれ)。このクルマは一過性のブームで終わると見る向きもありましたが、2013年になっても勢いは衰えていません。使い勝手が悪く(小回りはききますが)、燃費も悪いクルマなので、ライバル不在(なかなか参入してこない)というのもあるのでしょうか。数年前からすこしずつは同タイプのクルマが出てきてはいます。プジョーRCZ・ホンダCR-Zくらいでしょうか。

  なぜかTTのパッケージに近づけて作っているはずのプジョーRCZやホンダCR-Z(名前が!)にはTTと同じような良さをあまり感じないんですよね・・・。この3台の共通点は4シーターだけど実質2人乗りで空間を贅沢に使い、スポーティーなのだけど動力性能はかなり控えめ(一般のクルマと同じエンジン)なので、グランドツアラーというよりはクルーズカーです(向きです)。実際にこの3台の中で「海辺でドライブデートするならどれ?」と訊いたら、アウディTT:プジョーRCZ:ホンダCR-Zは7:2:1くらいになりそうです。デザインの完成度でこの結果は仕方ないですね。ホンダCR-Zは年配のユーザーに配慮(落ち着いたデザイン)しつつもフロントのデザインなどはよく出来ています。ただ個人的にクルーズカーを含めた高級車全般と勝負するならリアデザインまでトータルで作り込みを徹底していかないとダメだと思います。リアが大衆車プリウスにそっくりでは不味いですね。ただ内装を見るとホンダCR-Zが一番良かったりするんですがね・・・。

  プジョーRCZは価格も抑えめで「GT料金」が上乗せされていないクルーズ仕様なのに、ターボを積んでブーブーいわせてる設定に多少ブレがあると思います。あのミッドシップみたいなデザイン(FFなんですが)でエンジン音がまったく聞こえないのも問題かもしれないですが・・・。デザインは個性的で良いのですが、理想のデートカーとしては大事な部分が抜け落ちているのかも。好きなモータージャーナリストの一人である岡崎五郎さんが乗っているのですが、あの方は(面識はないです)、おそらくクルマにおける哲学で私のような凡人には理解できない高い次元へ到達されてこのクルマを選んでいるのでは?一度TVK(テレビ神奈川)の番組に手紙書いて訊いてみたいと思います。「ほぼ同価格のRCZとレクサスCTを比べるとどちらがデートカーに向いていますか?教えてください。」

  TTには「GT料金」がたっぷり乗っかったTT-RSというハイパワーバージョンがあります(中間にはTTSというのもあります)。「TTはクルーズカーでTT-RSはGTカーだよ。」という棲み分けができる万能デザインのクルマですね。アウディがいかにこのクーペをブランドの魂として扱っているかが解りますね。というよりこのクルマなかったらアウディのブランドイメージをここまで確立することはできなかったと思います。2代目のデビューから5年が経ってかなりお手頃(200万くらい)のクルマも増えてきて、これからがお買い得になってきた気がします。それなら86/BRZを新車で買えば良い気もしますが・・・。TTの世界的な成功のおかげであのトヨタがやる気になって86/BRZを作ったんだろうと想像できますけどね。